飽きたと言うよりは言いたいこと見失ったので断念した。
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からころころと、音がする。
その音の正体を確かめようか確かめまいかどちらにしようか、しかし結局悩むことすらせずに惰性に身を預けることに、した。
悩んだって意味がない、悩んだって意味がない。そう2回ほど言い聞かせて絹ズレの音が新しいシーツの上で足を滑らせる。
しゃらしゃらと静かに鳴る音に不快感は何一つなかった。何一つ。
自分がたてる音、自分だけの音、その音は心を鎮めてくれる訳ではないが荒立てることもしない。何一つ変わらない、それでいいそうだそれでいい。
シェゾはそれだけ確認するとゆっくりと瞳を開けた。薄暗い部屋に豪華な調度品。それと、隣の。
触れた肌はひんやりとしていて到底温もりとは遠かった。シェゾはそれを知っている、知っているからこそ泣きたくなった。
知っていて選んだ。
それが人の温もりとはほど遠いと、知っていたから選んだ。
他ならない、これは、逃避だ。人の温もりに甘んじるのは嫌だと感じた自分が選んだ人の温もりとは程遠くそれでいて限りなく同じもの。だと知っている。
それでも選んだ。
それでも選んだ。
それでもいい。言い訳と嘘の塊でいい。たとえすべて事実なのだとしてもまだ逃げるだけの口実が残っていればいい。
その口実はきっと、自分のたったひとつのプライドだけは守ってくれるから。
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