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気になる人がいる。
とはいえ、好きか、と言われたらどちらかというと、嫌い寄りの方な気がする。
嫌いというのも語弊があるかもしれない。目につく、というのが正しい。

ただ問題はそれを本人に言ったところで、面倒くさそうな顔と眉間にしわを寄せられて終わりだというところだ。
自分はそこそこ気にしてはいるが、向こうは多分、本格的にこちらを嫌いなのかもしれない。

だからといって、このままでいいわけがないのだが。




「だからお前はどうしていつも……」



ラグナスにかけられた声にシェゾが明らかに不愉快そうな顔で振り返る。
今回はなんの説教だ。初撃の強引さか、それとも先ほど最後の彼の真後ろから闇の刃を放ったことか。
多分後ろのほうだろうと検討を付けてシェゾは視線を逸らす。

「倒せたんだから問題ねぇだろ」

逐一うるせぇよ、と言わんばかりの態度でシェゾが向けられた意識を払う。

成り行きで彼と戦闘を共にすることにはなったが、この二人の息があっているかと言われたら、悲しいかな別段そういうわけでもなかった。
ただ、幸いなことにお互い、戦闘経験が豊富な故か、致命的なミスをすることはお互いなかったのだが。

とはいえそれだけで全てよしとするわけにもいかない。
あからさまに協調性を欠くシェゾの行動がとかくラグナスの目につき、何かと口を出すようになってしまっているのがこの状況だ。
戦闘で協調性がない彼がその後の説教に近いそれの言葉を聞くことなんてさらにあるわけがなく、二人の溝は広がる一方なのだが。

「あのなぁ…そういう問題じゃ……」
「あぁはいはいスイマセンでした危なかったですね」
「そこまでわかってるんならどうして」

そんなん殺れそうだったからに決まってんだろ。
シェゾは言葉を返すのも面倒くさくなったか、手にした剣を普段収納している空間に散らせながら身体を返す。

「シェゾ!」

咎めるような声を無視したら、強引にその手を掴まれた。




「っ……」
「…ほらやっぱり怪我してるじゃないか。だから慎重に行った方がいいって……」
「あ?……なに、そっち?」


不意に告げられ言葉が予想外で、シェゾは一瞬抜けた声をだした。
とがめられていたのは、初撃の強引さのほうだった。

「そっちじゃなかったらどれのことだよ」
「最後のやつ。お前と魔物の間にぶっこんだだろ」
「あれはいいよ、倒せたんだし。お前なら外さないだろ。そんなことよりもう少し自分の心配を……」

説教を垂れながら回復魔導を唱え出した勇者様を、シェゾはやはりものすごく嫌な顔をして見つめるのだけれど。


「なにおまえ、きもちわるい」
「お前ほんと俺のこと嫌いだな」


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