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(グリヘド)


死神業というやつが好きなのかと聞かれたら別にそういうわけではない、これは趣味でやっているわけではないのだから。だからと言って義務でもない。
たとえば人が呼吸をするのは義務かと言われたら別にそういうわけではないだろう。つまり、「そういうこと」だ。これは。

自分のそれは「仕事」であるが、同時に「種族」である。

だからそれはそういうことで、そのことに対して何かしらの感情を抱いたこともなければ疑問を抱いたこともない。
ただ、それは同時に、自分にはそれしかないのだろうかという漠然とした感情を生んでくる。もっとも自分にも趣味だとかいうものは存在するし、自分にそれしかないと思い悩んでいるということはない。
ただ、自分を形容する形をひとつ出した時に、それが「自分」である必要性がないだけで、それはつまり、自身の表現になっているのか甚だ疑問だ。



「何いってんのかわかんねぇよ」

言われてふと顔を上げる。
見れば目の前で見知った顔が眉間にしわを寄せてこちらを見下ろしている。たしかに回りくどかったな、と反省をしてグリープは一度首を左に傾ける。
髪型のせいではあるのだが、どうにもこうにも左側が重たい。なら髪を切れと言われそうだが、それはそれ、これはこれだ。

「あー、わるい、なんだっけ?」
「お前が言いだしたことだろ」

言いながら目の前の彼がもう一度眉をひそめる。
あ、恐い顔。ぼんやり思いながら見送って、それからそういえば彼は沸点が低い方だったと思いだして傾けた首を起こした。

「だからさ、俺のこれはそういうのとは違うわけ」
「そういうのって」
「お前のやってるバンドってやつとは」

ちょっと言い方が悪かったかと少し窺うように眼を細めたが、それはこちらを見てはいなかった。ただ何かしら考え込むように手をあごに当てて唸っているから、そんなに大した話ではないともう一呼吸置く。




「いや単に、お前のそういう、光ってる趣味、好きだよって」
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