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「やぁ変態」

その言葉が放たれたときの状況は忘れたし、何処だったのかも覚えていない。何故なら覚えている必要がないからだ。
いちいちその言葉を言われた状況なんぞを覚えていてももはや意味がないくらいにはその言葉は日常的に使われていた。

「……何の用だ」

ただそう、なんとなく木が多かったような気がするから森の中、とかだったのかもしれない。視界に緑が多かった。
その程度の認識で変態と呼ばれたシェゾは、呼んだ相手、サタンに出会い、そしてそれは彼に笑いかけた。

否、笑いかけた、というよりは笑い飛ばした。





「何の用だとはまた随分だな。まるで用がなければ話しかけてはならぬかのようだ」

「当たり前だろう。お前は用もなく俺に話しかけるのか」

カラカラと笑いながら口を開いたそれに不快感をあらわにしながら返す。
虫の居所でも悪いかのような言葉だが、彼のそれは別段そういうわけでもなく、ただの性格によるものだった。

というよりはサタンの方から向かい合った時の彼は、ほぼ一律してこういうような態度だった。特別その態度をサタンの方が気にしたことはない。

気にする程のことでもない。




「では返すが、私がそんなに貴様に用があると思うのか」

「は?」

「用がなければ話してはならぬのなら、私から貴様に話しかけることなど無くなるというものだ」

「……それは願ったりかなったりだ」

やや逡巡、のちにそう返す。
この迷惑な魔王に話しかけられることがないというのならそれはとてもありがたいことなのではないだろうか。

だがしかし、そんな魔王の言葉に少なからず含みを覚えてシェゾはもう一度押し黙る。
そんなシェゾにサタンはゆっくりと目を細めた。

「私は貴様に明確な用事を持って話しかけたことなど数えるほどしかないのだよ」

「そうだな、大抵はくだらない用かおもいつきだ」

「そう。裏を返せば、貴様にはそれだけ『価値がない』ともとれる」

「っ!!」

くつりと笑い飛ばした魔王に、シェゾのプライドが反応した。
用がなくても話しかけるのはそもそもはじめから用などないからだ。シェゾにサタンが話しかけるだけの用事など無いからだ、と。魔王はさらりとそう告げた。

そのやりとり自体は単なる言葉遊びに過ぎないのかもしれない。
しかしそれでも聞き流すには憎い言い回しが入っていた。

この魔王が自分にヘンなちょっかいをかけてくることを、望んでいるわけは絶対に無いが、だからといってそこまで言われて黙っていられるほど気にならない言葉でもない。

明らかな敵意をにじませてこちらを睨んでくる魔導師にサタンはただ眼を細める。ひんやりとした殺気も射抜くような視線もすべて心地よいものとして受け止めて、そうしてゆっくりと口の端を吊りあげる。

「構われているうちが、花だと思え?」

からかっているのか本気なのか、もしくはその両方なのかサタンは楽しそうに笑いながらシェゾを見る。
くつりと笑う。くつりと笑う。
吐き捨てるような憎悪を受け止めながらなおもくつりと笑う。

笑いながらそれで何をするわけでもない。距離を詰めることもなくただ一定のそれを保ちながら笑う。
特に近づく意志はないということか、それこそ言葉通り『価値のない』と言ったことの誇示かもしれない。その態度がどことなく癇に障った。

しかしここでそれ以上噛みつくことは、それこそ「思うつぼ」だとシェゾは知っていた。



「……言っ、てろ」

「おや、さすがに挑発には乗らなくなったか?」

「おかげさまでな」




それだけ吐き捨ててシェゾは改めてその場を後にする。
サタンも別段追いかけることはしなかった。そうして見えなくなるシェゾの姿を見送ってから、笑みを消して溜息を一つ。



「何だ、今日はノリが悪いな」



言って音もなくその場を後にした。







――――――――――――――――――
(無価値なものがないというのなら無価値という言葉に価値がない)

まとまりはない←←
ただなんだねそういう関係っていいよねと思うわけでしてな。
嫌い嫌いも好きのうちというわけではありませんが本当もうなんかこうギスギスと紙一重のサタシェが好きすぎて私は死ね。あ いや 死ぬわけにはいかない。
まとまりがないのは私の脳みそだってことはだいぶ前からわかってました。
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