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じかんよとまれ

昨日までは手が届いたのだ。確かに。次の日からは何にも届かない。人の手がこんなに暖かかったのだと知ったのは世界が変わったからで、否、世界は何ひとつ変わっていない。

変わってしまったのは、自分だった。







「シェゾ、貴様何歳だった」

藪から棒に。魔王はそう言った。シェゾは視線を一瞬だけ流してまたすぐに本に落とす。

「………忘れた」

それだけ言って口を閉じる。別に応えるのが面倒くさかった訳ではない。忘れたのだ。実際。
年齢を重ねることに意味なんてなくなったときから数えることなんて止めた。それがいつだったかも忘れた。
ただ。幸か不幸か産まれ年は覚えているから多分計算すれば出てくるんだろうが。

「……それがどうした」

ただあれだけの答えだと目の前の魔王が納得いかないだろうから一応繋げてみる。
するとそれは不思議そうな顔をしてこちらを見下ろした。

「いや、お前年齢の割に言動が落ち着かないよなぁと思って」
「どういうことだ」
「そのままの意味だ」

魔導師の見た目が若いままであるというのは大して珍しくもないが、そういう人物は大抵言動が落ち着いてくるものである。
魔王のような規格外は別としてもシェゾのそれは、余りに。



「……老け込んでもしかたねぇだろ」

しかしそう言ってシェゾが瞳に影を落とすから、サタンはそれ以上言うのをやめた。
からかってやろうかとも思っていたが、それは多分やめた方がいいだろう。

サタンは瞳を細める。




(嗚呼そうか。彼は彼の纏う闇が深すぎて、心が進めないのだ)

シェゾの過去に何があったかは知らない。が。闇の魔導師という生き物は今まで何度か見たことがあるからわかる。
これ以上彼の闇が進んだらきっと戻ってこれない。
彼は無意識にそれに気づいて居るのだろう。



(変わることが恐いのか。変わることを止めたら人間でいられなくなってしまうのに)

(闇の魔導師とは損な生き物だな)




‐‐‐‐‐‐‐‐‐
人間で居たいのにどう足掻いてもどこかで人間から遠くなるのが恐くて動けなくなるシェゾが好き。
サタンの側は時間が物凄くゆっくり流れているから本能が離れられないそんなサタシェ。


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