「ひとりにしてくれ」とはなんて贅沢な言葉だと思う。
だって「ひとりにしないでいてくれる人」がいるのだから。
嗚呼だって、自分にはひとりにしないでと叫んだって一緒に居てくれる人すら、いない。
ぽちゃん。
水音が聴覚を支配する。こぽりとなる空気の音がいやに遠くに聞こえた。
水は好きだ、自分を優しく包んでくれるから、外の喧騒から守ってくれるから、涙も全部包んでくれるから。
欲しかったものは届きそうででもやっぱり届かなくて掌から逃げて行った、指の間から逃げて行った。もう欲しかったものが何だったのかすら覚えていないけれど。
水の底から見上げる水面は綺麗だった。きらきらと輝いてとても。
けれど私には眩し過ぎるからただ暗い水の底からそれを見上げるだけなのだ。手を伸ばせば届くと誰かが言っていたけれど、私にはそんな勇気一つすら持てなかった。
持てなかった。
(ねぇ、あなたたちの眩しさは、私には強すぎたのよ)
――――――――――
おともだちのいないセリリ独白。なんだろうセリリたんがトモダチ出来ないのは多分とても臆病で臆病で本当に臆病だからで、「声をかければ簡単にトモダチになれる」じゃなくて、本当は「声をかけてほしかった」んじゃないかなぁとか何かもっとこう表現力を俺にくれ。
PR