結局書き終わらない感じのフラグがたってきたので、一回で終わらないなら分けて更新すればいいじゃない!ということに気づいたのでほそぼそかいてるカミュシェのネタの途中を投入です。
時系列的には割と初期のころというか。
うちのカミュシェはなんでかしらないですがやたらと仲が良いのですが、仲良くなるまでのあれそれの妄想というか。
カミュとシェゾってもともとは特別な共通点がアルルしかないと思うのですが、そんなもともと仲良くもないだろう2人が仲良くなるまでを結構真剣に妄想してみたら結構萌えました。
というかお互い結構魔導マニアなんじゃないだろうかということでその辺つっついてみてみたりなんだり。
たぶん長くても3本で終わります。終わらせる…。
そしたら今度こそ書き途中の長編を!長編を…。
毎回毎回長編書くよって言って放置してすみません。最近筆がのってるからこんどこそ書けるような気がする!ぜ!
追記よりどうぞ
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自分勝手で協調性がなく、性格の悪い嫌な奴。だと、思っていた。それまでは。というか、思わされて、いた。
独線上のアリア
「依頼という正式な形で話をさせてもらう」
カミュは言いながら一枚の書類を差し出した。その言葉にそれまで面倒くさそうな顔をしていたシェゾの瞳に興味という名の光が差す。
やっぱりだ、この自分本位の塊を動かすには、それ相応の報酬をもってしてのほうが話が通りやすいということは、カミュは知人の前情報として、知ってはいた。
「目的は遺跡奥の薬草の入手。遺跡自体は過去に何度か俺も行ったことがあるんだが、最近そこに魔物がすみついたらしい」
彼の興味がそがれる前に、手短に用件を話す。幸いにして、遺跡、薬草といった彼の興味を引く単語がいくつか出てきているので、おとなしく聞いてくれてはいるようだが。
「ひいては薬草の採取時と遺跡までの護衛、それをお前にお願いしたい」
それだけ言うとカミュは書類をいったん机の上に置いて、相手の反応をうかがった。書類にはすでにカミュのサインは記入してある。依頼書、としては正式なものだ。あとはこれに依頼を受ける側がサインをすれば正式な受理となる。相手の了承なしにこれを破棄した場合は、破棄した側に呪いが降りかかる、これにはそういう魔導が込められていた。見る者が見ればその魔導、および依頼書が本物のものであるとは一目でわかる。
シェゾはそれを認めると静かに瞳を細めた。自分にこういった形で依頼を持ってくる者は、多くはない。大概が無理やり付き合わされている感がぬぐえない昨今においては、本当に珍しい切り出し方だと思えた。
だが同時に、正攻法であるからこそ、話をきいてやろうかという気にもなる。
「報酬は」
案の定、話がすんなりと前に進むのをカミュは感じた。
今回挑む遺跡はかなり難易度の高いものである。故に、護衛を頼むには確実な実力と、遺跡になれた勘とが必要であった。その両方を兼ね備えていて、かつ依頼のしやすい相手というと、この目の前の闇の魔導師が適任だったのだ。
故にここで報酬を渋るつもりはない。少しだけもったいつけて笑うと、カミュは一冊の本を机に置いた。
「シュベルクハルツの時空間相違理論、……直筆だ」
ぴくり。
出された言葉にシェゾの顔が一瞬引きつる。その反応に確かな手ごたえ。
さすがこの魔導師はものの価値が分かる人間だ。以前ラーラにこの本の話をしたが全く通じなかった。しかし、人によっては是が非でも欲しい代物、200年ほど前に活躍した偉大な魔導師の論文兼呪術書である。しかも直筆。
「…なんでまた、こんな大層なモンを」
とはいえ物が物だけに、さすがのシェゾもいぶかしんだ。それもそうだ、人によっては是非に欲しいものであるなら、持ち主だってそう簡単に手放そうとはしないはず。しかしその疑問にカミュは簡単に答えた。
「使える奴が持ってた方が、本も喜ぶだろ」
それが答えだ。
そう、実はこの呪術書、長年実家の書庫に保管されていたものなのだが、カミュの家系では魔導の系統が違ったらしく、扱えるものが誰もいなかったのだ。というか、そもそもの魔導の系統が古代魔導に准じている本で、故に現代において使えるものはいないだろうということで長年しまわれてきたという経歴を持つ。
ところが、目の前のこの魔導師はあろうことかその古代魔導を扱うのである。
ならば彼が持ってそれを行使した方が、本のためでもあり、著者も喜ぶであろうということで、カミュはあっさりとこの本を手放すに至ったのだ。
まぁ最悪、読みたくなったら彼に借りればいいだけのことだし。
それだけ言って相手の反応をしばしうかがう。
とはいえこの反応ならノーとは言わないだろう。その証拠に彼はすでに依頼書の内容に目を通し始めている。
ざっと、しかし要所を確実に押さえて眼を通すと、彼はすぐにその書類にサインをした。
「OK、依頼成立だ」
「恩に着るよ」
話がまとまったことを認めカミュは目的地への道順を説明する。
話に聞いていたのよりもずいぶんと話がわかる人じゃないか、その時はその程度にしか思わなかった。
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魔導オタクならではの会話美味しいです。
当然ですがシュベルクヘルツとかなんか音で適当に決めた架空の人です^p^
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