皆様お元気な方もそうでない方もごきげんよう。私?ええ私はいたって元気ですわ、ただし景気はあまり良くないですけれども。
ええ、良くないですわ景気は常に、なんて言ったってここのところ、これといった事件も起こらなければ依頼もなくてまったくもって暇を持て余しているところなのですのよ。
どうして事件が起きてほしいのかって?
…ああ、そういえば自己紹介がまだでしたわね、ご存知の方もそうでない方もいらっしゃるとは思いますが、私、魔女の見習いをさせていただいておりますウィッチと申しますわ、以後お見知り置きを。
それで、なんでしたっけ、ああそうそう、事件の話でしたわね。
なんでって、事件が起きていただかないと私のお店の景気がさっぱりなのですもの。
魔女である私は、依頼をうけて自分で調合した薬などを売って生計を立てているのですけれど、私は悔しいながらまだ見習いの身でありますから、そんなに依頼が舞い込んでくるものでもありません。ですから…まぁ、森の一角をいただきまして、そこで自分の店というものを開いているのですけれど。
…特別なにかあったりしない限り、この世界は平和ですから、まぁ、なんというか、お客さんがいらっしゃらないのですわ。
もちろん常連の方もいらっしゃいますけど、お金を持ってるんだか持ってないんだか分らない魔導師の卵だとか、常に飢えてらっしゃるイメージしかない変態な魔導師とか、あと頼りのない自称勇者様であるとか、なんだかいまいちパッとしないお客しか来ないのですよねぇ…なんでかしら。私の作る薬は天下一品だというのに。
以前その話をたまたまその場にいらしていたお客に漏らしたら、「だって君の作る薬はわりと妙なものがほとんどじゃないか、俺は効能をわかってるから愛用させてもらってるけど」とか失礼なことを仰ったので金額をいつもより多くいただいたこともありましたけど。
…いやだ、ぼったくりだなんて、名誉毀損による正当な報酬ですわよ。
まぁ、中には良いバーター…もとい、お客さんもいらっしゃるんですけどね、あまり大きな声で言えないようなお薬を法外な報酬で頼んでくださる魔王様とか。
そうそう、たいていの事件が起こるときはあの魔王様が絡んでいるので、ご協力ということでお手伝いすれば相応の報酬を支払っていただけるので、その方には多かれ少なかれ感謝しているところではありますけれど。
けど裏を返せばその方に事件を起こしていただけないと、私の方も大した収入が望めないというなんとも安定しない収入源なのですけれどね。
さて、こんなところでさみしく妖精さんとお話している場合でもないわ、そろそろお店を開けなければ、最近は妖精の数も減ってきて珍しいからついつい話し込んでしまいましたけど、あなたも早くお帰りなさい。
…なぁに?私のお店みていきたいんですの?別に構いませんけれど、あなたが思うような特に面白い事件なんてありませんのよ?
「日常茶飯事~魔女編~」
店をあけてからしばらくして、まだ太陽が一番高い所に登るには時間があるそんなとき、カランカランと入口につけたベルが鳴る音にウィッチが視線を上げる。するとすぐに視線に入った、この店の常連の一人、それは黒い服を身にまとった闇の魔導師だった。
やや眠そうな瞳を一瞬こちらに向ける。それから流れるように棚に移る視線。ドアからの風に銀色の髪が綺麗という二文字を湛えて流れるのを、ウィッチは少しだけ見送った。
そんな無駄に美しい造形を備えた彼が午前中にこの店に来ることはわりと珍しい。理由は単純、彼は夜型だ。
朝、と呼ぶにはやや遅い時間に起床して、身支度を整えてからここに来ても大概は昼を回る。この時間に来るということは、朝起きない限りありえない話だ。
まぁ、別にそんな彼が、朝起きたからと言って、そこまで稀有な話でもないわけだが。
そんな感じで店の店主であるウィッチは少しだけ珍しいものを見たように眉を動かしたが、それっきり、いらっしゃいませと一言だけ告げてカウンターの後ろで紅茶を淹れ始めた。
この客に特別何を紹介する必要はない、本人が欲しいものを自分で見定めて、たまに要望があれば適当に声をかけてくる、だから特別接客する必要性もないのだ。それよりはそれとない茶でも淹れた方が喜ばれる。ついでにこの茶に興味を示してくれればついでに買って行ってくれる。
たまに店の中で知己のメンツと顔を合わせると騒がしくなることもある、が、基本的に一人しかいない場合、この客と店主が交わす言葉は、ない。
それが店主と客という立場で相対した二人の暗黙の了解だ。
こぽこぽこぽ、と、穏やかな音が店に流れる。気を利かせた風の精霊が窓からやさしい風を流し込んでくれる。それだけの空間。
まったく平和ですわね、ウィッチはそれだけ思って、せっかくだからと、声でもかけてみることにした。
「今日はお早いお越しですのね、シェゾさん」
「…っ」
ただひとこと、それだけだったが、その言葉は目の前の客、シェゾの心に何かしら波紋を残すところがあったらしい。ぴくりと小刻みに揺れた指先に合わせ、彼の触れていた棚の上の小瓶が滑るように、そして重力に従い、パリンと乾いた音とともに床に散らばる。
「あら」
割れた薬は大したものではないが、これで弁償と称して金額を上乗せできる、そんなことを考えながらウィッチが落とした本人に視線を向ける。と、シェゾはその小瓶を見てから、視線を泳がせて、それからようやくウィッチに宛てた。
その動きに明らかな動揺を見つけてウィッチは視線を細める。
「あ、すま、ん」
「いいえ?」
一瞬息を詰まらせたような謝罪、その声の揺れは動揺によるものかと思われたが、ウィッチはそこでそれが喉の掠れによるものであると気づいた。
しかしそれについては何も言わずに掃除用の箒を手に取り彼のもとに歩み寄る。近づいて耳を澄ませば聞こえる呑み込むような咳払い。
視線を上げれば彼のその白い肌に、うっすら浮かぶ目の下の血の気の引いた色。
「……ああ、寝不足ですの?」
喉の代わりにもうひとつ、気づいたことについて声をかける。
何のことはない、彼が朝早くにこの店に姿を見せるには、朝早く起きる以外にもうひとつ方法がある。
寝なければいいのだ。
ぴくりと、ウィッチの指摘にもう一度体を震わせたシェゾに浮かぶ一筋の汗。彼が動揺をすることはそんなに珍しいことではないが、このような反応を示す動揺の仕方は、実はあまり多くない。
そのことに本人は気付いているのかどうかは知らないが。
ウィッチはほぼ確信に近い感触を覚えて床の割れた薬に意識を向ける。
気がつけば平気で3日間くらい通しで本を読んでいることがある彼が寝ていないことは特別珍しくない、ゆえに、徹夜、ひいては寝不足の指摘で動揺することは珍しい。ましてやこんな粗相をするほどの動揺だ。
ウィッチはつづけて気付かれないように鼻を鳴らしてみる。寝不足の時のシェゾはたいてい、入浴という行為すらもすっとばすことがある、が、案の定今の彼からはほのかにいい匂いがするだけで、とても不規則な生活による睡眠不足であるとは思えなかった。
それならば彼が睡眠をとれなくなる理由はひとつ。
「……はぁ」
ウィッチはそこでわざとらしく溜息をついて膝を曲げた。その動作にウィッチの言わんとしたことを察したシェゾがまた別の動揺を見せる。その反応に気を良くしたことを悟られないように、ウィッチはことさらなごり惜しそうに、彼が割った小瓶をつまみとり、小首をかしげて口を尖らせて壊した犯人に視線を移すのだ。
「このお薬、当然弁償していただけますわよね?」
「うぐ」
予想通りの言葉にシェゾがもう一度言葉を詰まらせる。彼が割った小瓶なのだから彼が弁償するのは当然だ。しかし彼は悲しいかな、持ち合わせが多いわけでもない。ゆえに言葉につまる。
しかしウィッチはあわてず騒がず、その場で立ち上がるとにっこりと、満々の笑みを浮かべながらシェゾの胸元に指を立てた。
「この上着、で、手を打ちましてよ?」
ピッと指差したのは彼が今まさに来ている黒い服。
ウィッチとてシェゾの持ち合わせが多いわけではないことを知っている。だが、ウィッチにとって欲しいものは何も金銭だけではないのだ。
常々、彼の着ている服を狙っている。使用方法は企業秘密、しかし、彼の服を欲しがっているということは彼と彼女とを知っているものなら皆が知っていた。
そこでウィッチは偶に引き合いに出すことがある、金の代わりに服を寄こせと。それにしぶしぶ彼が応じたことも、場合によっては金の代わりに手持ちのものを彼のほうから差し出してくるということも、実は1度や2度ではない。故にウィッチは今回もそれを指定した。
だが、今回ばかりは、シェゾが渋った。
「い、や、これ、は」
否定を口にし、一歩下がった彼が冷汗とともに無意識に左手を首元に当てる。その動作にウィッチの目が光る。そうかそこか。間違いない。あの下に。ウィッチの予想したアレがある。
「いいから寄越しなさいな、安いものでしょう?」
ウィッチは笑顔を崩さない。何も知らない風を装って笑顔で詰め寄る。じゃり、床に散らばったままののガラスを踏みつけた靴が音を立てても視線は彼から逸らさない。
一歩ずつ後ずさる彼の身体が棚にぶつかるまで、じわりじわりと詰めた距離を離さない。
彼が寝不足である。にもかかわらず清潔な香りがする。さらにはその事実に動揺を示す、すなわち他に知られたくはない。喉がかすれている。上着を渡すわけにはいかない理由がその下にある。すなわち。
昨晩、「どこかの誰か」が寝かせてくれなかったのだ。
これを使わない手は、ない。
がたん。
「いいからお脱ぎなさい!!」
「い、や、だ!!」
シェゾの背中が棚に触れた瞬間にウィッチが飛びかかる。狙うは上着のファスナーただひとつ。
しかしそれに対してシェゾはウィッチを防ぎながら棚の商品にも気をつけなければならない。ここで棚の商品を傷つければ間違いなくウィッチは彼に請求をすることをシェゾも心得ていた。仮にも女性である彼女にやすやすと手を挙げるわけにもいかない。そのハンデに対応が遅れる。
ウィッチは体重をかけて彼を押し倒しにかかる。棚に捕まるわけにもいかないシェゾは、そのまま勢いを殺し、きれずに。
「…っ、」
「さぁ、ご観念あそばせ?」
わずかに舞い上がる砂埃。シェゾの腰にまたがった状態でウィッチが勝ち誇った笑みを浮かべた。打ちつけた背中に顔をしかめるシェゾをよそに、ウィッチは左手で彼の右肩を押さえつけ、右手でファスナーに手をかける。
じぃ、服を通して肌に感じたファスナーの振動にシェゾが息をのむ、しかし彼が動く前にウィッチがシェゾの空いた右手ごと膝で抱き込んだ。
「ば、かっおま…」
視線の下の綺麗な顔に、わずかな恐怖が滲むのを見送りながらウィッチはゆっくりとその留め具をおろしていく。
うっそりと笑みを浮かべた彼女の瞳は、シェゾの開いた首元をじぃっと見送って、そして顔の位置はそのままに視線だけを、まるで人形のように左へとずらしていく。ことさらじわりと、あからさまに、見せつけるように動かされたウィッチの視線の動きに耐えきれず、シェゾが表情を歪めながら顔を、逸らした。
先のやりとりによって上下する呼吸、うっすらと汗のにじんだ開かれた首元、その左の付け根に、紅い痕。
組み敷いた彼の屈辱に歪んだ表情と、疲れ切ったその様子からそれの正体は容易に見て取れた。
ウィッチはそれを、わずかに触れるか触れないかの距離でなぞる。
細い指が体を撫でる感触にシェゾが声を、殺した。
「っ、」
「ここ、虫にでも喰われました?」
今ならかゆみ止め、お安くしておきますけれど。
知っていながら白々しくウィッチが微笑む。シェゾは答えない、どう応えていいかわからない。
うっそりとうっそりと、それはそれはまるでずっと望んでいたものを手に入れたかのような表情を浮かべて笑うウィッチに何を答えればいいかわからない。
己の上の少女が浮かべる、欲望を湛えた瞳に何を答えていいかわからない。
くすくすくす。不釣り合いなほどに無邪気な笑い声が空間を支配する。
そしてウィッチは、表情を崩さず、静かに、彼の首元に浮かぶ誰かの所有痕に唇を近づけ。
噛みつく前に素早くその場を離れた。
「…?」
ふわりと残り香だけ残してカウンターに戻るウィッチ。
一瞬そのウィッチの動作の意図がわからずに疑問符を浮かべるシェゾ。ゆるやかに身を起こしながら、とらえた獲物をあっさりと手放した魔女を見送る。理解のしがたいその動き、しかしその真の理由を次の瞬間いやというほどい思い知ることに、なった。
「…………ェェェエエエゾォォオオオオ!!」
「は、あぁあああああ?!」
「ようこそいらっしゃいました」
地響き、爆音、それから、衝撃。と、挨拶。
けたたましい声とともにその店に飛び込んできたらしい人物は、ドアを無視してシェゾの元に滑り込むように入ってきた。その勢いで棚からこぼれる薬品が数点。
その勢いと展開についていけず何が起こったのかすらさっぱりわからないシェゾをよそに、しかしウィッチは再び表情をもどして優雅に紅茶を淹れ直し、きまりのあいさつを一応口にした。
「ちょ、え、な、にこいつ……」
「シェゾ!」
「あ、?さ、た…ん?」
一息ついてその飛び込んできた侵入者がシェゾの名前を叫ぶ。そこで初めて、シェゾが侵入者の正体を把握した。展開はいまだによくわからないが現状は理解する。
その侵入者、サタンがシェゾの名前を叫びながらウィッチの店に飛び込んできたのだ。
そしてやはりどういう理由かはわからないが、なぜか半泣きで床のシェゾに抱きついていたりする、という、現状。
しかしそんな息のつかない展開にもかかわらず優雅に茶をすすり始めるウィッチ。そしていきなり出てきて何やら叫んでいるサタン。
わけのわからない状況に混乱するシェゾだが、このあと、さらに混乱する出来事がシェゾの身に降りかかった。
「まったくお前はフラフラしおってぇえええ!」
「なっ…ぅんっ!!」
半泣きでシェゾにすがりついていたかと思っていたサタンが、勢いよく顔をあげたかと思うと、そのまま叫んだ勢いのままにシェゾの唇に噛みついたのだ。
「んっ…ぅ」
逃げようとした顔を耳から覆うように固定し、そのまま舌を滑り込ませる。引いた舌を絡めて吸い上げるようにシェゾの口内を侵食する。唾液を吸い上げる音に合わせて、ウィッチの紅茶を啜る音が響いた。
びくり、と、シェゾは焦る。なんでだってこういうことになっているのだ。意味がわからない。
なぜこんなタイミングでサタンに咥内蹂躙を味わされる羽目にならねばならないのだ。否、別段この行為自体に焦っているわけではない。実のところこの行為自体は珍しいものではない、珍しいものではないが、今、この場にいるのは二人だけではないのだ。
大体こういう羽目になる理由が彼にはわからない。
その様子を冷静に見続けるウィッチがカップを受け皿に置くと同時に、サタンもシェゾの口を解放した。
「サタン、なん、」
「何だもこうだもあるか!大体お前は朝起きるやいなや逃げるように出て行きおってそんなに私が嫌いか!挙句の果てに他の奴に襲われているだなんてもう放っておけたものではないではないか!ああもう心配かけおってこのバカ者」
「は、いや、おいこれは」
「ああだいたいせっかくお前が不埒な輩に言い寄られぬように所有印をつけてやったにも関わらずそれを危うく上書きされるような事態に陥って万が一そんなことがあったらと思うと私は心配で心配で心配で…」
「んな…っ」
シェゾが文句をいう隙は、与えられなかった。
茶をすするウィッチと戸惑うシェゾ、そんな二人を知ってか知らずか、サタンはシェゾにすがりつきながら、シェゾがそれとなく避けていた話題を高らかに述べ出した。
要するにウィッチに組しかれていたシェゾを心配したサタンが乱入しにきた、ということなのだろうか、心配と恋しさでの先の行動だと堂々と言ってのけるサタンにシェゾは焦るしかない。
しかしてウィッチはそれすらも平然とそれを聞き流す。
どうせそうだろうと思ったのだ。あのシェゾが人に言いたがらない寝不足の理由など、なんてことはない、昨晩サタンの相手をしていたからの他にはないだろうと。
彼が何を隠そうとして何に動揺しているのかは知らないが、彼とサタンの関係など、もう知っているものにしてみれば別に日常茶飯事なのである。
なんで彼の声が枯れてるんだとか、隠した服の下にある痕の正体だとか、どうせ今日もサタンに付き合わされていることに嫌気がさして逃げるように朝っぱらからダンジョンにでも潜ろうとしてここに来たのだろう。
そしてそんなシェゾにちょっかいをかければ、この魔王様が横やりを入れてくるだろうと踏んでのこと。
そこまで予想してのこのウィッチの行動が、見事に当たったわけだ。
そう、この、無駄に金を持っているウィッチのスポンサーを引きずり出すのに、今回のシェゾは良い餌だった。景気の悪い今のタイミングにはちょうどよかったのだ。
ウィッチは、カップで隠した口の端をこっそり釣り上げた。
「大体お前は昨日はあんなに可愛く私の名前を」
「黙れ貴様何を言っている!」
そんな彼女をよそにサタンの話がいつの間にか昨夜の行為の描写にまで及んでいる。真っ赤になってそれに吠えるシェゾの服が汚れないかしらなんて考えながらウィッチはその話に、聞き耳を立てた。
聞き流すように聞き入る能力を手に入れたのはひとえに彼らのおかげである。
ずずずずずずず。
このままやりとりを見送ってもいいといえばいいのだが、サタンの手がシェゾの腰を撫であげたところでウィッチはわざと大きめの音をたてて紅茶を啜る。
見送るのも一興ではあるが、さすがに店先でやられると他の客が来たときに大問題になる。
その音に顔をあげた魔王様ににっこりと笑いかければ、それまでやんややんや騒いでいた魔王様がぴたりと動きを止めた。そして自分がぶち破ってきたドアとシェゾに突っ込んだ時に散乱した棚の上にあったであろう薬品を見まわしてからもう一度ウィッチに視線を戻す。
一瞬きまりの悪そうな雰囲気をまとったサタンがウィッチに呼応して笑顔を浮かべた。
「で、こちらの方は弁償してくださいますかしら、サタン様」
シェゾさんのお召しになっている上着と合わせて。
ただ、それだけにっこりと告げると、ウィッチはまた何事もなかったかのように紅茶を啜るのだ。
それからしばらくして、シェゾがサタンに連れられて店を出ていくのを、シェゾの上着を手にして満足そうな表情のウィッチが見送る姿が確認されたとかなんとか。
※ ※ ※ ※
ねぇ?ほら、あなたが思うような面白いことなんて何もなかったでしょう?
まぁお店の方もサタン様がぱぱぱっと直してくださるかと思いますし。いつも通りですわ。
ええいつも通りですわよ?本当何か事件らしい事件起こらないものかしら…そうでないと本当商売も上がったりで。
まぁ今回は思わぬ臨時収入が入りましたから喜ぶべきとは思いますけどね、ええ収入ですわ。せっかくなのでサタン様にはちょっと吹っかけさせていただきましたもの。
まぁお店も壊されましたしこの程度の上乗せなんてサタン様にとっては雀の涙みたいなものでしょうし?このくらい請求したって罰はあたりませんわ。
いやですわ……別に、あのままサタン様が来なかったらなんて、思ってませんわよ。
日常茶飯事、ですもの。
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さりげない片思いウィッチが可愛いです。手に入れようとはしていなくてただおこぼれがもらえたら楽しいウィッチが可愛いです。
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