シェゾおたおめ!!
今年はなにやらアンソロを仕上げたときに力尽きたのか全くなんと言うか気力が行方不明なところはあるのですが、シェゾの誕生日はとてもおめでたいことです!
仕事の帰りにとりあえずケーキでも買っていこうかな!
もしくはあれだ。
夜にシェゾ誕おめでたかったエチャとかを・・・。
いやそれよりも春の準備しろよというわけですが^p^
ラミカまだ全然在庫たりない。
と言う感じに絵を描く気力がないのなら、文章を書けばいいじゃない!ということでちょと振り絞ってみました。
気がついたらサタシェだったけどまぁ8割通常運転です。
祝うと呪うってにてるよね
“おめでとう”、なんて全力で嫌味を言われて吐き気がした。
「……なんのつもりだ」
極上のワインだなどと笑いながらその所謂「プレゼント」なるものを差し出しながら薄く笑いかける魔王に、シェゾはとりあえず冷ややかな視線とともに返事の方だけはしておく。
僅かに細められた瞳がいつにもまして目障りだった。
しかしその反応を知ってか知らずか、というよりはもとより想定の範囲内だったのか、魔王様は特に何を言うわけでもなく笑顔を貼り付けたまま無駄に優雅な動作でそこらへんの岩肌に腰掛けた。
「お祝いのつもりだよ」
まさか。
二度目の吐き気を覚える台詞とともに、彼は視線を動かして適当なテーブルを見つけてそちらに先程のワインを置いた。
本気か冗談なのかいまいちよくわからない。持ってきたワインは確かに極上のものであるのだろうが、本気か冗談かよりにもよってそれが白葡萄酒だったりするあたり、やはりからかいにきたとしか。
「一応聞いてやる、何の、祝いのつもりだ」
「何だずいぶんととぼけるな」
「当たり前だ、祝われる覚えなど今のオレには存在しない」
「冗談を」
意味を成さない言葉のやりとりが繰り広げていると、シェゾは自分でも感じた。
とぼけているといわれたが、確かにその通りだ。その通りなのだ。
自分がこの魔王に祝われる覚えは存在せずとも、世間一般的に祝われる理由は存在している。
何を隠しているつもりもない、隠してはいないが特別公にもしたくない。
今日は。
「誕生日だろう?貴様の」
ぞわり。と。
その言葉になにやら物凄く、嫌な空気が自分の手足をのぞりと這い上がるような、そんな感覚を覚えた。
目の前の奴が何を言っているか、いまいち理解に及ばない。
そう、確かに今日はシェゾの誕生日であり、一般的に誕生日というものは生まれたことを祝うもののはずだ。
だが、だがしかし。
今、この目の前で、「生まれてきておめでとう」なんて、どの口が自分に向かって吐いている?
「……ボケたか?」
「何を失礼な。ボケたのはお前だろう」
よもや自分の誕生日まで忘れたか?そう笑うサタンの瞳には明らかにこちらを小馬鹿にするような色が含まれていたが、それが指しているのはこちらがボケた(わけでは決してないが)ことに関してだろう。
だが生憎自分が欲しいのはそれではない。
シェゾは溜息を一つついてサタンの言葉に対応することにした。
「貴様に祝われる覚えがない。と言っている」
吐き捨てるように、わざと吐き捨てるようにそういった。
もっとも、こちらの嫌味が向こうに通じたことなんて数える程度しかないのだが。
サタンに祝われる覚えなぞ、シェゾには全くなかった。
というよりも、そもそも他人に祝われる覚えがなかった。
誕生日とは、己が生まれてきた日のことだ。それを祝うのは、生まれてきたことに価値のある人間だけだ。
・・・・・・とはいえ、さすがにシェゾとて自分が生まれてきた事に価値がないなど、そんな悲劇めいたことを言うつもりはない。
言うつもりはない。言うつもりはないが。
シェゾという“人間”はとうの昔に死んだのだ。
今日と言う日に祝われるべき少年は、とうの昔に死んだのだ。
闇の魔導師シェゾ・ウィグィィの誕生とともに。
本来なら自分の誕生日というやつは、きっと、おそらく、自分が闇の魔導師となった修学旅行のあったあの日だろう。闇の生まれた日が自分の、己の誕生日だ。
それがいつだったかは、忘れたが。
「……シェゾ?」
「っ、」
は、と。
声をかけられたことによりしかし思考はそこで止まる。
意識を向ければこちらを見つめてくる、特別なんの感情もない瞳。
そこで漸く、自分の思考がずれてきていたことにも気づいた。
祝われるべき云々ではない、たとえそうだとしてもそもそもこの魔王が自分を祝うなんてそんな気持ちの悪い事があってたまるか、と、そう思ったはずだった。
それが何がどうなってこんな話になっているのだと、気づいて顔を少しだけしかめた。
きっとこいつのせいだ。
こいつがガラにもなく変なことをするからこちらの思考まで乱されるのだ。
「いや、……嫌がらせなんだろ、どうせ」
ひとまずそこで思考を落ち着かせて、シェゾはもう一度息を吐いた。
そうだ、そうに決まっている。結局は嫌がらせなのだ、こいつがすることはどうせ。
大体なんだ。自分が、こういう時に祝われるのが嫌いだということを、知っているだろうに。
「そう思うか?」
「それ以外にねぇだろうよ」
「そうか?……まぁ、そうだろうな」
するとサタンは、こちらの思考を読んだのか、不意に視線を外し、感情のこもらない瞳に一瞬だけ影を落として、それから、ゆるく、微笑んだ。
その表情に、何が含まれているのかなんて、分かるわけがなかったが。
「祝われるのは、嫌いだものな」
「……知っているなら、なおのこと嫌がらせじゃないか」
「ふむ、そうとるか」
では。
そこで言葉を切ると、サタンは持ってきた酒をこちらへ向けて、もう一度。
意地が悪く、微笑んだ。
「ならば、呪ってやろう。貴様の誕生日を」
すとんと。
しかしその言葉はシェゾの心に確かなしこりを落として抜けていった。
なんというか、それはそれで癪である。
「……どっちもいやだな」
「だろうな」
結局サタンの行為はいやがらせということでまとめて、シェゾはこの訪問者を受け入れることにした。
(誕生日を呪うだなんて、別に自分はそこまでこの日が嫌いと言うわけでは)
(嫌いと言うわけでは)
時間がなさすぎて後半はしょった^p^
書きたいこと結構色々あったのにつめこめなかった感orz